秋の美術館巡り7-根津美術館
行っておきたい展覧会、この秋前半部門は、ここでおしまい。
10/7に3年半ぶり、新創開館(サイトにこう書かれていたので!)の、
根津美術館。
ご存知、原宿・表参道というおばさんには縁のない街を通り、
カルティエ、プラダといった貧乏人には縁のないショップが並ぶ道をぬける、
という荒業を繰り出してたどりつくのが、根津美術館。
かつては、やっと辿り着いても入館口がどこにあるか混乱したものですが、
今回新しく突き当たりにも入り口が出来ていました!
こっそりと入ると・・・メイン入り口までの通路が、竹をあしらった素敵な道に!
じゃん。
今までの旧本館を完全に取り壊して新築した新・根津美術館は、
おおらかな屋根が天平建築を思わせる、のびやかな外観。
今日の展示は、「新・根津美術館展-国宝那智瀧図と自然の造形」
メインは国宝の那智滝図、滝が一本画面真ん中にザァーっと流れる、
滝をご神体にしたというとても珍しい、鎌倉時代の画です。
もともとこの美術館、書や茶道をたしなむ方々や、骨董趣味の方に絶大なる人気。
茶道具、書、いいものいろいろ出ていました。
かつての旧本館と同じ趣向で、館内に小さな茶室がしつらえてありました。
青山荘という名前の小さなこの茶室の、今回は初釜ということで、
落葉切(伝西行筆)の鎌倉時代の掛け軸、
銘寿老人なる桃山時代の伊賀花生、
など、良いお道具で茶室を構成してありました(ガラス越しに見るだけです)。
あとここの代表的コレクションが、中国古青銅器。
殷時代(紀元前12~13世紀!)の、饕餮文(とうてつもん)、
教科書で知って以来、ここで始めて本物に触れて、
あーまーりのうにゃうにゃ模様に、古代人は何考えたてんだー!ともんどりうった、
あの、ラーメン丼の周囲の模様が超複雑で立体的になったやつが、
みっしりついた、銅器がたくさん。
それから仏像です。
今まで、ガンダーラや中国から持ってきたのが入り口近くに並んでいただけでしたが、
いよいよ、日本のものも展示されるようになりました。
定慶作、興福寺から流れ出した、由緒正しく趣深い帝釈天がかっこよくいました。
そんな根津美術館は、広大な庭園でもまた有名。
しつこいですが、原宿・表参道・カルティエの先に(笑)、
こんな深山幽谷みたいな場所があると、若い方はご存知だろうか・・・
敷地2万平米を越えるという、旧根津家のお庭、
かつてはうっそうとしすぎて、ひとりで歩くのは恐かったのですが、
ここも歩きやすく整備され、こんな池まで発見できました!
(かつては辿り着けなかったらしい(爆))
写りがアレですが(^^;右に古い木の小舟が優雅に浮かんでいます。
池にはもちろん鯉!
庭には4棟の茶室があり、
あちこちに古い仏像や置物がさりげなく配置されています。
これは苔むした・・・ていうかむしすぎた(爆)仏像。
どんぐりが供えられています。
よく見たら、鼻と牙が木の、銅+石の象さん。
最初いたずらで木が突っ込まれてるのかと思った(^^;
ちなみにこの庭は、某グルメ漫画の魁、美味しんぼで、
主人公たち・・・だったかもうすっかり忘れたのですが(^^;
2組同時の結婚式の饗宴が行われた場所です!(たぶん(笑))
こんな素敵なお庭には、洒落たカフェが設えてあります。
もちろん入ってみましたとも!
ミートパイとサラダ、650円。コーヒーつけると+300円。
パイはあつあつで、添えてあるオリーブも美味しかった^^
このカフェも完全新築なのですが、ふと見上げると、天井にライトがない!
巨大な天窓みたいになっていて、そこに和紙が張られているのです。
とってもやわらかな木漏れ陽が心地よいこと^^
下端が窓で、その上に大きな和紙張りの傾斜した天窓です、わかりますかー?
お店の方に聞いてみたら、本当に、ライトは壁際のわずかな間接照明だけなのだそう。
(窓の上端にそって、わずかにオレンジ色なのが、間接照明の光です)
嵐の日や、冬の夕暮れ時とかに来てみたい!(笑)。
こんな感じで、入り口入ってからずっと、
とてもとても居心地のよい場所でした。
なにしろ一番居心地がよかったのは・・・
最初から最後まで、私がもしかしたら、最年少?(^▽^)ノ
な観覧者構成だったことかしらっ!(爆)。
おじ(ー)さまおば(ー)さまがほとんどでした。
けれど中に、スーツ着た、サボリーマン?(・・)もチラっと。
デートの下見かしらね・・・
それと、館外の傘たてがまた機能的なのに洒落ていたので、
ぱちり。
レールで引き出す方式で、今日は写真の一台だけが引き出されていました。
使わないときはこの写真の左右の台みたいに外壁にぴたりと収まって、
まったく目立たず邪魔にもならない!
某新美の、傘たてスペースだけで建物ひとつ無駄に作ったやつと比べて、
なんて気持ちのよい・・・と思ってしまったのはナイショです(笑)。
最後に!
入館チケットと、グッズ包装用のシールに、
館蔵の中国古青銅器の、頭がふたつある羊さんの形を使っていて、
ちょっとかわいかったので、ご紹介^^
左がチケット、右がシール・・・わざわざもらってきました(爆)。
さて、まだまだ、古代ローマ展とかハプスブルグ展とか、
実は行きたい展覧会あるのですが・・・
優先順位とお金?のかねあいで、ここらで秋前半は、一段落。
東博の第二期とか、根津も今後1年間で8回特別展するそうですし、
正倉院展もありますし・・・ね!
イイ感じの武術館ですね♪
殷時代の古青銅器なんて、私のめっちゃツボです^^
殷~三国時代位の中国史が、大好きなんですよ♪
そして、古代ローマ展もかなり気になっちゃいます!
by ★ASA☆ (2009-10-15 23:30)
♪ ★ASA☆さん、.饕餮文の青銅器が、常設でいつでも見れますよー^^
ショーケースの工夫で、反射がほとんどなく、ガラスなんてないみたいな展示です。
ありえないほどすぐ目の前にあるみたいに見えますよ!
古代ローマ展、やっぱり気になりますよね・・・うずうずうず(笑)。
by まるさ (2009-10-16 09:04)